ヘタリア好きが懲りずに作ったブログ。元Pangea。今回も超大陸から名前をいただきました。 CPは独普・米英米・独伊独・西ロマ・典芬・海拉・英日などなど。NLは何でも。にょたも大好き。史実ネタ時事ネタねつ造たくさん。一部R18あります。 その他作品として、デュラララ!!(NL中心)とサマウォあり。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
さて、そんな彼の真面目な週末における真面目を前面に出した行動とは、図書館の自習室で資格試験の参考書を広げることだ。簿記を少々、宅検も少々、IT系もそれなりに。自宅でも構わないが、さほどストイックでなく受験勉強もそれほど得意ではなかった田中としては、周りに同調するのが得意な自分の特性を理解したうえで、周りも勉強している場所で勉強するのが一番はかどると自認していた。あと、暖房代が浮くというメリットもある。今風に温暖化防止のため、と付け加えてもいいけれど。
おまけにここは、池袋駅からは少し歩くが、有楽町線の東池袋駅のすぐ近くにあり、繁華街を抜けた散歩感と、都市の便利さの両方を兼ね備えている。都会の図書館らしく、平日は午後十時まで開いているため、仕事が引けた後、たまに寄るにも苦労しない。真冬にはこの立ち寄りやすさ、というのはとてもありがたいものだ。
自習室では来良学園の高校生たちが大学入試の過去問をまとめた赤本を広げて、有機化学や指数関数の公式を前にうなっているし、向かいではアジアのどこかから来た留学生らしき若い女性が、英語の教科書を片手に、ノートでひらがなに訳していた。
日常が非日常過ぎるなら、休日はせめて日常らしく。その目的にこれほど相応しい場所もないだろう。
民法のゴロ合わせを心の中でつぶやきながら、きっかり一時間で五十ページ参考書を進めた田中は、アクリルの椅子で伸びをした。四色ボールペンの青をかすかな振動音と共に収めて、若いころほどは長時間集中力が続かないという口実を理由に。もっとも、資格試験にも慣れて来た要領のなせる技なのか、若人よりはよっぽど効率よく彼は参考書を進めていることに、周囲も本人もあまり気付いていないのだけれど。
COMMENT