日本は最近、床暖房に変えたらしい。一見すると普通の畳み部屋だが、そこはテクノロジー的な何かでほんわりあったかくしてある。
しかし、現在の俺は、身体の側面に触れるぬくもりより、よっぽど頬や頸に当たる体温に夢中なわけで。
「イギリスさん、おかゆいところはありませんか?」
綿毛らしい何か……日本曰くアヒル毛らしい――を先っちょにつけた棒を俺の耳に突っ込みながら、日本はやさしく聞いてくれる。
これを天国以外の何と表現すればいいのだろうか、こんにちは天使様!!あ、それは俺だった。じゃあ女神さまでどうだろう? あ、でも日本は女性じゃない。れっきとした男だ。それは昨晩もばっちり確認してある。まあ、そこが興奮するんだけどな。
竹を磨いて曲がった棒は、やっぱり先っぽの綿毛の用途まではわからなくて、単なる装飾用の何かだと俺は判断している。うちにある幸運のお守りであるウサギのしっぽのぽわぽわ飾りのようなものだろう。
「一週間に一度は私はこれをやらないとすっきりしないんですよ。どうですか?」
「ああ、気持ちいいぞ」
膝枕膝枕はぁはぁはぁはぁ。
やっぱり太もも柔らかい。すぐ近くに臍があるのもいいよな。別に日本はきちんと今着物を着ているんだけどな。そこは俺の007も真っ青の諜報部仕込みの心の目で見ることにする。もちろん、そこよりちょいとばかし下にあるいやらしいところもだ。心の目バンザイ。ありがとうMM5。
「それじゃあ、もう少し深く入れますよ~」
「おお」
ひやっとしびれる感覚がした。耳の穴なんて本来他人に触らせないだろう。鼓膜をぶっさされたらどうな
るか想像したくもない。
でも、それこそ信頼の証だ。日本以外にはやらせるものか。
「もうちょっと」
「おう」
おお、何かしびれるような?
「もうちょっと……」
「おっ」
痛いのか?これは痛いのか?ギリギリなのか? え? あ、やばいのか? どうなのか? ちょま日本……!!
「ふぅ~~~!! やぱり、5cmは入れないと耳かきは楽しめないですね」
「……そうだな」
何だかまだ耳がちくちくする。というか、鼓膜よよくぞ無事だった。
「それじゃあ、次は反対側もしましょうか!」
しかし、満面の笑顔で言われてしまったら、俺としては断れないわけで。
「はい、こっち向いて下さい~」
ギリギリなのか? 今度もギリギリなのか? アウトなのか? セーフなのか?
でも、こっち向きからの日本の太ももも……イイ……。
というわけで、俺はハラハラドキドキアドレナリンを流しながら、日本の右手に身を委ねるのだった。
「イギリスさん、たまっているみたいですし、明日もしましょうね。お風呂上りだとよく出来るんですよ」
その言葉、もっと俺の得意な分野の方向で聞きてぇなぁ。いつか絶対言わせてやる。
fin
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