2011年9月24日 擬人化王国5内
日普アンソロジー 「三千世界」に参加することになりました!
Albino+Margaretaさま(東4キ46ab)にて領布予定です。
アンソロ爺ですよ!あんあんそろそろじいじいですよ!!(?)
豪華メンバーの中、空気を読まずに日本海の荒波ざっぷーん!とか書きました。じゃっぱーん!
背中から覆いかぶさっている来客を、ずりずり引きずりながら、荷物の散らばった軒先から、玄関に連れて行く。
「メール出したぜ」
廊下移動距離1メートル。
「いつ来るとはおっしゃりませんでした。世界会議は明後日ですし」
移動距離現在2メートル。
「いつ到着するか俺にもよくわかんなかった」
3メートル。
「乗換案内ぐらい使って下さいよ。国際携帯持ってきてるでしょう」
4メートル。
「だって電車の中では携帯電話使っちゃいけねぇって規則あるだろお前んとこ。駅からこれでも走って来たんだぜ」
バスかタクシーで普通なら来る距離を、観光客もおっくうがる坂を越える姿を想像して、残暑が霧散する中、軒先と京女たちが微笑んで振り返ってしまうくらいには可愛いと思ってしまったのが運の尽き。
せめて、一番サイズの大きい、ひよこ柄のビーチサンダルを鼻先にぶら下げて、顔を見られないようにした。
「……夕ご飯の買い物行きましょう。荷物ここに置いて、お勝手に周って下さい」
スーパーの特売が秋刀魚一本五十円とお得だったので、夕食は大根おろしと酢橘を添えて主菜にできるだろう。頭ごとばりばり食べられてしまうが、それはそれで秋刀魚にとっては本望かもしれない。
「やたっ! コンビニも寄っていいか?」
「またハーゲン買い込んだりしないで下さいよ。お腹を壊されたら、こっちが堪りません」
たすき掛けをほどいて、勝手口に近い戸棚から朱ちりめんのがま口を出した。たもとにいれて、突っかけの鼻緒に足袋を滑らす。
喉から出すいがらっぽいハミングに、縁側から添えるように高い音がした。
「何だ?」
「ああ、風鈴です。もうとっくに秋なのに、うっかりかけっぱなしにしていました」
まっさらで風が吹く度に、五月蝿い位にないてくれるが、割れれば喉を掻っ切るくらいは出来るところが、貴方に似ていたから、とは言わないでおいた。
斑紅葉を縫うつむじ風に、再び、ガラスの赤い平面金魚が揺れる。
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