是枝監督が、まさか業田良家をやるなんて!と私ホイホイされました。
「歩いても歩いても」が一番すごいと思うんですが、これもすごかった。
家族と言う概念への冷淡さを濃厚に描くことに定評のある作家さんですが、今回はある意味、ファンタジー。
でも、予想しない結末に行くから、なめちゃぁ、あきまへんで!
見た後に、人によって感想が違いそうですね。
ワンシーンワンシーンに伏線を張り巡らしながら、その役者の演技以外の部分もすべて計算に入れているとしか思えなかったです。
例えば、東京の街を見る主役のペ・ドゥナの瞳には、私たちが香港や北京やソウルやホーチミンの街を見るときに抱くことの多い「異邦人の視線」が含まれています。
似てるけど、知らない街。知っているけど、理解はまだ出来ていない街。
「ロスト・イン・トランスレーション」が一時間半くらいで説明していた感覚を、ワンシーンで表現しちゃっているのです。
しかし、すばらしい女優さんです。人形でいなきゃいけないシーンでは、瞬きしてません。
体型も、上半身は細いのに、下半身がむっちりしていて「人形」っぽいです。(下半身に重心がないと人形って立てませんから)
ゴムの擦れる音や、かちゃりとした金属音など、細かい効果音も配慮してあって、ガラス細工のように綿密な映画でありました。
ARATA君は、流石に年齢を感じるわ~と思ったのもつかの間。
現役モデルさんだけあって、身体がすごいですね。少女漫画のような体型の男性っているんですね。アンドレ体型(ベルばら)がこんなところにいました!
何より撮影監督のリー・ピンビンの映像美に絶句です。
「花様年華」で、実力はわかっていましたが、また一つ壁を超えちゃっていると思います。(あ、ちなみに「花様~」はBGMの使い方が神過ぎます)
「ノルウェイの森」も期待できますね!
何か癒し系?と勘違いして、うっかり初々しいカップルとかで行っちゃいけません。
是枝作品は危険です。
でも、この人と一生添い遂げたいな、と思った相手がもし私に今いるとしたら、何年先になるかはわかりませんが、いつか一緒に見て欲しい作品でもあります。
男性と女性でも感想はだいぶ違いそうだから、ちょっとずつちょっとずつ話しながら。
ところで、是枝作品って電車のシーンで始まることが妙に多い気がします。電車好きなんだろーか。
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